TuneCoreを利用してみた。メリット、デメリット。
05.20にリリースしたばかりのRhythmy「Icefall」から実験的にTuneCoreを利用してみました。参考になれば。
目次
1.TuneCoreとは?
https://www.tunecore.co.jp/
音楽をやられている方なら、もうすでにご存じでしょうけど、TuneCoreは音楽配信流通サービス。他にもSPACE SHOWER MUSIC、フリクル、ROUTER.FM、他にもCD流通業者は大抵、配信流通もやってるし、CDのプレス業者もやっている所が多いし、調べれば沢山出てくると思います。
こういった音楽配信流通サービスを行なっている業者を通して、Spotify、Apple Music、LineMusic、AmazonMusicなど、様々な音楽ストリーミングサービスからリリースすることができるわけです。
2.SPACE SHOWER MUSIC
2012年にKitorina Recordsを立ち上げてからずっとSPACE SHOWER MUSICを利用してました。当時はSPACE SHOWER MUSICではなくBounDEEという社名だったのですが、現在はSPACE SHOWER MUSICとなっています。
SPACE SHOWER MUSICはCD流通の他、出版、マーケティング&プロモーション、音楽配信など、様々なサービスを提供していて、流通網はかなり大きいです。音楽配信先、配信サイト数もTuneCoreと比べるとかなり多いです。
https://spaceshowermusic.com/service/index3.html
上記URLに記載されている配信サイト以外にも、契約するとダウンロードできる配信先事業者リストを見ると、ちょっと数えるのが面倒で数えてないですが、事業者ではなく細分化された配信サイト数は500を超えています。
ざっくりとSPACE SHOWER MUSICから配信する場合、初期費用、登録料はかからず、売り上げから約50%引かれます。ただ、曲を登録する際にISRCというコードを自分で取得しないといけないのですが、その登録手数料が一曲330円かかります。
ちなみに、ISRCコードは日本レコード協会から取得します。
https://isrc.jmd.ne.jp/about/
詳しくはまた、別の機会にお伝えしようと思います。
3.TuneCoreの魅力
ではなぜ今回、TuneCoreを利用しようと思ったか?
理由はいろいろあるのですが、大きく魅力を感じたのはこちら。
・Split(スプリット)収益の自動分配機能
・LinkCore機能
・審査通過後、最短1週間で販売開始
4.Split(スプリット)収益の自動分配機能
https://www.tunecore.co.jp/split
TuneCoreを利用してみたいと思った一番の理由はこれです。
その名の通りで、収益を自動で分配してくれるという機能。
例えば、レーベルをやっているとアーティストごとの収益をまとめて、レーベル分、アーティスト分を分けて、振り込み作業も手作業でやって。。。というのは正直しんどいです^^;しかもこれってずっと続くわけです。。
ましてや、僕みたいな個人でやってる小さいレーベルだと尚更。。。
しかし、このSplit機能を使うと、相手のメールアドレスと%(分配割合)を入力するだけで分配してくれるらしいのです。(配信始めたばかりなので、まだ、使えてません。)
感覚的には印税契約の形に近いかなと思うのですが、Splitのwebsiteにも書いてある通り、エンジニア、MV制作、デザイナーなど楽曲制作に関わってくれた人たちに収益を簡単に分配できるなら、やり方も変わってくるのかな?と。
ただし、ある程度の売り上げの見込みを提示できないと、誰も納得しないと思うし、そこは、話し合いですよね。
一先ず、レーベル、アーティストの分配で使ってみようかなと思います。
5.LinkCore機能
https://www.tunecore.co.jp/linkcore
これもとても便利な機能!!
配信リリースの場合、発売日にならないと各配信サイトのURLが出てこないのですが、このURLを調べて集めるだけでも、大変な作業量になってきます。例えばSpotifyに行って、アーティスト名、楽曲名を入れて検索して、共有からURLをコピーして。。。それをSNS、WebSiteに貼り付けて。。。
みたいなことを配信サイトの数だけやるわけです。。。
ところが、LinkCore機能は発売日になると、これらのURLを自動でまとめてくれる上に、短縮URLを自動生成してくれるので、そのURLをシェアするだけでOKなのです。
どういったものかというと、RhythmyのLinkCoreのURLを下記に貼りましたので、こちらをご覧いただくとわかるかと思います。
https://linkco.re/59zy625G
しかも、楽曲の紹介文、アーティストプロフィールも載っているし、各種関係URLも記載してあるので、基本的にはこれ一つに伝えたい情報が全て載っていることになります。ちなみに埋め込みコードもあり。
便利だ~。。
6.審査通過後、最短1週間で販売開始
うん、これは早い!
SPACE SHOWER MUSICの場合は約1カ月なので、かなり計画的に動かないと、納期に間に合わないなんてことが起きるのですが。。(計画的にやれよ!って話ですが^^;)
1週間なら気軽にリリースできますね(笑)
実は今回はSPACE SHOWER MUSICの納期に間に合わなかったので、急遽TuneCoreにしたのはここだけの話で(笑)
ちなみに、審査とありますが、楽曲を登録した時点で各配信サイトで取り扱いできるかどうかの審査がスタートします。ほとんどの場合は大丈夫だと思うのですが、配信サイトによっては審査が通らないこともあるようです。
実際、クラブZIONという配信サイトの審査は通りませんでした。
調べてみると、クラブミュージック専門と書いてあったので、ジャンル的に合わなかったのかな?と解釈していますが、理由は教えてくれないので、真相は闇の中。。。
ま~いくつか審査が通らなくても落ち込む必要はないと思います^^
7.考慮すべき点
と、ここまで良いことばかり書いてきましたが、デメリットは?
デメリットは人によるかと思います。
どういう事かというと、
シングル登録¥1,410(税抜)~
アルバム登録¥4,750(税抜)~
この金額が毎年発生すると言うことです。
サブスクが主流の今、無名アーティストだとこの金額を回収することすら大変だと思います。最初の一年は頑張って黒字になったとしても、2年目からはただ、赤字になって行くだけになります。
サブスクの場合、1再生 0.5円前後くらいの収益と考えるとその大変さがわかるかと思います。しかも、配信サイトによってはもっと少ないところもあります。
なので、サービスとしては魅了的なものが多いのですが、現実問題としてこの金額をどう捉えるかが重要になってくるかと思います。
8.まとめ
結局のところ、サブスクで収益を上げるにはとにかく再生数を上げるしかないわけですが、そのためにはフォロワーを増やさないといけない。
フォロワーを増やすためにはコンスタントにリリースや発信をしなければならないわけです。要は回転数を上げるということ。
でも、実際のところ、これって当たり前にやらないといけない事なんですよね^^;
少なくとも、アルバムを1年2年、もしかしたらもっと時間をかけて制作しているようでは、全く通用しない時代になったのかな?と思います。
とにかく作る。作って発信する。これをルーティンとして生活の一部に組み込んでしまうくらいの気持ちでやった方が良いのかもしれません。
最後に1つ。
やり方として、TuneCoreなど登録料が毎年発生し、それが赤字になるような場合は、潔く配信を停止しても良いかと思います。
そして、ミックスやアレンジを変えて、SPACE SHOWER MUSICやフリクルなど、登録料、使用料のかからない流通サービスから再配信するのも良いのではないでしょうか?
ま〜とにかく。頑張りましょ〜!!